結納取り交わしに用いる結納飾りは、「結納品」と称して今日ではデパートで、五品、七品、九品のダラス別に台の上に乗せて販売されています。モのなかの金包み(金宝包みともいう)に結納金を包んで先方へ届けるのですが、モの他のものは飾り物で実用性はまったくありません。しかも、最近のようにアパート住いはもちろん、ふつうの家庭でも床の間がなくなってしまっている住生活では、これを飾っておく場所もなく、無意味ともいえる品を取り交わすよりは実生活に役立つ品とか、指輪などに代えたほうがよいという意見も少なくおりません。これも、それそれの事情によって、しきたりを重んじる家もあれば、万事、合理的に運びたいという家もありますから、仲人が両家の意見を調整したうえで、双方納得のいく方法での結納取り交わし、あるいは婚約記念品の贈呈という形式のいずれかを採るようにきめるのがよいでし上結納をしきたりどおりに行なう側の論拠としては、つぎのような点が挙げられます。?結納を取り交わすことによって、あらためて婚約したという実感が湧く。?結納金は花嫁の支度金の一部を花婿が負担するという意味で合理的でよい。?仲人、両家の親が積極的に二人の結婚に参画してくれるので、責任の重さを感ずる。これに対して従来の結納の取り交わしは封建時代の名ごりで形式的すぎるからやらない、あるいは別の方法でやるという人も今日では少なくありせん。それらの人の意見を挙げてみましょう。?結納の取り交わしは、無用の非実用品を、多忙な仲人の手数を煩わして、まったくムダ以外の何物でもない。?結納金の額をいくらにするかは両家の経済状況などを考慮に入れる必要もあり、失礼にあたる。?結納金の「返し」を「半返し」にするか、「何分返し」にするか、あるいはまったく返さないですませるか、それらについて両家の意見を調整するのが困難である。れもまた、もっともな意見です。これら合理的な人だもの結納取り交わしに代わる婚約を証明する方法も、「婚約式」などいろいろとくふうされています。結納の日どりをきめるには正式の結納の取り交わしを行なうには、吉日を選んで使者(多くの場合は仲人)が花婿の家に行って、花婿から花嫁への結納を受取って花嫁の家へ持って行って渡したのち、花嫁から花婿の家へそれを持参して、さらにその受書を花嫁の家へ届けて終わる、つまり一往復半することになっています。